日本の恐竜研究の原点~誰が何を発見したの?

RAKUTO豊田校

2018年10月04日 06:00

今から50年前の、1968年10月。
高校2年生の鈴木さんは、福島県にある地層(ちそう)で、めずらしい化石を発見した。

鈴木さんは、その化石ことを、国立科学博物館に手紙で知らせた。
博物館の館長だった長谷川さんは、その手紙を見て、さっそく福島県にやってきた。
そして、化石の発掘を行った。

こうして見つかったのが、フタバスズキリュウの化石。

今から、およそ8500万年前。
恐竜などが生きていた時代に、海にすんでいた大きな爬虫類(はちゅうるい)の仲間だ。

鈴木さんが見つけたので、「スズキリュウ」という名前がつけられた。
ドラえもんの映画に登場した「ピー助」は、このフタバスズキリュウがモデルだと言われているよ。

今、日本では、恐竜や、フタバスズキリュウのように恐竜ではないけど、同じ時代に生きていた大きな動物たちの化石が、たくさん発見されている。
もしも、鈴木さんがフタバスズキリュウの化石を発見していなかったら・・・
こんなにたくさんの化石は、見つかっていなかったかもしれないんだって。

『常識破る化石発見 日本の恐竜研究の原点』 朝日新聞

鈴木さんがフタバスズキリュウっを見つける前。
日本では、恐竜などの大昔の大きな生き物の化石は、見つかるはずがないと考えられていた。

その理由は、アメリカや中国などとくらべて、国土がせまいこと。
せまいので、恐竜たちがいた時代の地層も、数が少ない。

植物や微生物(びせいぶつ)の化石の研究は行われていたけど、それは石炭や石油など、エネルギーのもとになるものを探すため。
恐竜の化石は、もしも見つかったとしても、お金にはならない。

そもそも見つかるはずがないし、お金にもならない。
だから、日本で恐竜などの化石を探そうという人は、ほとんどいなかった。

そんな常識をくつがえしたのが、鈴木さんによるフタバスズキリュウの発見だったんだ。

フタバスズキリュウの発見ののち、日本では、たくさんの研究者が、恐竜などの化石を調べるようになった。
その結果、恐竜や首長竜などの化石が、次々と見つかるようになった。

1978年には、岩手県で、日本ではじめて、恐竜の化石が見つかった。
この恐竜は、モシリュウと名付けられた。

その後も、たくさんの化石が発見されている。
福井県で見つかったフクイリュウや、兵庫県のタンバティタニスなどが有名だ。

こうした化石たちも、鈴木さんがフタバスズキリュウを発見していなかったら、地面の中にうもれたままだったかもしれない。
そう考えると、高校2年生だった鈴木さんのかつやくは、すごいものがあるよね。
見つけたものをそのままにせず、きちんと調べようというところは、見習いたいところだ。

写真は、福井県の恐竜博物館にて。
鈴木さんのかつやくがなかったら、この博物館もなかったかも。




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