気体を使ってクリーンな発電~問題点は?

RAKUTO豊田校

2015年04月16日 06:00

最近、なにかと話題にのぼる気体があるよ。
地球温暖化対策の切り札ともいわれているこの気体、いったい何だと思う?

ヒントは・・・
宇宙全体をみわたすと、この気体が一番たくさんあるといわれている。
酸素とくっつくと水になるやつ。
RAKUTOっ子は、ちかん騒ぎでおおはしゃぎした、「気体の作り方」のレッスンを思い出してね。


・・・


答えは、水素。
このブログでも、何度か取り上げてきた気体だ。

『世界初の燃料電池車ミライ~いったい、どんな自動車なの?』
http://rakuto-toyota.jp/e294640.html
『世界初の燃料電池車ミライ~いったい、どんな自動車なの?~その2』
http://rakuto-toyota.jp/e295019.html

空気の中にある酸素を取り込んで、この水素と合体させると・・・
大きなエネルギーが生まれるんだ。
そのエネルギーを使って、電気を作ることができる。

今の日本では、ほとんどの電気を火力発電で作っている。
ガスなどを燃やして発生する熱エネルギーを使って、電気を作る。
これが、火力発電だ。
ガスなどをがんがん燃やすので、二酸化炭素がたくさん出る。

一方で、水素を使って電気を作る場合、二酸化炭素は全くでない。
出てくるのは、酸素と水素がくっついてできた、水だけだ。
水素、すごいよね。


しかし、水素にも、いろいろと問題がある。

ひとつは、その作り方。
水素の作り方はいろいろあるけど、主なものは電気分解(でんきぶんかい)という方法。

水素と酸素がひっついてできた水。
これに、電気を通すとで、水素と酸素にわけてしまう。
そんな方法だ。

ここで使う電気は、火力発電などで作られたもの。
水素による発電がいくらクリーンでも、水素を作るために二酸化炭素が出てしまう。

昨年トヨタ自動車が発売したミライは、水素を使って電気を作り、その電気で車を動かすというしくみだ。
二酸化炭素をいっさい出さないのが売り物だけど、水素を作るときに出る二酸化炭素を入れて考えると、その二酸化炭素排出量はハイブリッド車よりも20パーセント少ないという程度だ。

また、この電気分解には、白金(プラチナ)という金属が必要となる。
白金は、とても貴重な金属で、世界中を見渡しても、ほんのちょっとしか取ることができない。
水素による発電が世界中で広がると、あっという間に足りなくなってしまう。


もうひとつ、水素には大きな問題がある。
それは、爆発しやすいということ。

どこかで水素を作って、それを遠くまで運ぶ場合。
気体の水素は、マイナス260近くにひやされ、液体にして運ぶ。
この液体の水素が、運ぶ途中でもれたりしたら・・・これは大変なことになる。
だから、水素を運ぶ船や車には、特別なタンクを用意しなければならない。

水素を使ったクリーンな発電にも、いろいろと問題があるんだね。
しかし、水素を使った発電は、始まったばかり。
これから、いろいろな技術が発展して、こうした問題を解決してくれるはずだ。
みんなの中にも、大人になった時、水素の研究をする仕事をする子もいるかもしれないね。


そこで、想像タイム。

水素による発電の、主な問題点。

・水素を作る時に、たくさんの二酸化炭素が出てしまう。
・とても危険で、運ぶのに手間とお金がかかる。

この2つを解決するには、どうしたらよいのだろう?
何か、すてきなアイデアは、ない?

ちょっと長くなったので、続きは次回。

写真は、液体水素を入れるためのタンク。ウィキペディアより。
なにやら、ごっついね。





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